住まいづくりのサポート ｜ since1997
現在、3階建ての家にお住まいのS様ご夫妻は、将来の暮らしを見据え、住みやすさを求めて住み替えを決意。特に奥様は趣味の園芸を楽しめる広い庭と、南庭に大きな掃き出し窓のある家を希望されました。大開口の窓は鉄筋コンクリート造でなければ難しいと考えていましたが、OZONEで開催している無料相談を通じて木造でも大きな開口が可能なことを知り、建築家との家づくりを希望して新築・建て替えコンサルティング ベーシックコースにお申込みいただきました。
17年暮らした現在の住まいで感じている不便は多岐にわたります。たとえば...
S様ご夫妻は、生活スタイルや将来の変化に合わせ、将来は1階だけで暮らせる間取りを切望されていました。また趣味の園芸を楽しむ南庭づくりも大きな楽しみとされていましたので、プラン提案コンペに建築家3名に庭づくりについても詳しい提案を依頼しました。その結果、依頼先に選ばれたのは、一級建築士事務所「谷山建築設計室」の谷山武志さん、谷山裕子さんです。
完成した住まいは、南庭のほかに中庭と北庭（バスコート）を擁し、内外の空間が静かに響き合う美しい佇まいとなりました。
南側にはゆとりある庭を配置。玄関側の道路から建物までは距離があり、地盤の高低差（約1.4m）により視線を気にせず過ごせます。
敷地は南と北の2方向で道路に接しており、玄関は南道路から、駐車場は北道路からアプローチします。玄関から入ると、奥には納戸の白い扉があり、その先は駐車場へと一直線につながります。
西側の本棚を背景に、四つの特徴の違う場をつなげた居間。
それぞれ異なる趣でくつろぎの時間を楽しめます。
1. 穏やかな光が差し込む中庭に面した踊り場コーナー
2. 踊り場と本棚に囲まれた落ち着いたソファコーナー
3. 南庭の木立に張り出したリラックスコーナー
4. 景色を切り取る大きな出窓
木々の見える北庭（バスコート）に面した寝室は、風の通り道と採光に配慮した設計。
普段はセカンドリビングとして使用します。
120インチスクリーンのAVルームには、一面の本棚と電子ピアノも備えています。
庭の木々の奥に暖かな灯りが輝き、まるで「おかえりなさい」と迎えてくれるような温かさを感じさせます。
3つの庭が暮らしに豊かな緑と光を届け、家族の毎日をやさしく包み込んでいます。
私たちが建築家夫妻に依頼したのは「高齢になっても暮らしを楽しめる家」の設計でした。そのテーマに沿って台所、洗面所、浴室、ランドリー、トイレなどの水回りと寝室を一階北側に集中させることで、毎日の動線に無駄がなくなり快適になりました。
また以前の家では台所の通路幅が狭く、ガスコンロと冷蔵庫の位置が向かい合わせで作業動線に問題がありましたが、新居の台所は通路幅を充分に取り、冷蔵庫も家族全員が開閉しやすい位置に設置。台所とダイニングの間のカウンターが食材や料理の一時置きスペースになり、作業が楽になりました。ダイニング側からシンクとガスコンロが丸見えにならないセミオープン設計なのでダイニング空間もすっきりしています。
新居に住み始めてもうじき一年ですが、庭の植栽も室内インテリアも、より自分たちらしく居心地良いものになるよう手をかけてじっくり育ててゆきたいと思います。
はじめて敷地を訪れた時、閑静な低層の住宅街の上に広がる大きな青空が印象的でした。
その街並みに馴染ませながら隣家を気にせず暮らせるように丁寧に計画を整えていきました。また、コンペの際に拝見した要望書に「話をじっくりと聞いてくれる方」とのコメントがあり、我々が得意とするところだと思いながら家創りを始めさせていただきました。
ご夫妻とはたくさんの検討を重ね、やり取りが深まっていきました。設計意図を共有していただき、すべてが調和のとれた計画にまとめ上げることが出来たと思っています。
ここで出窓のエピソードをご紹介します。
景色を切り取る大きな出窓、人も犬も腰掛けられ、木立を間近に感じたり、水鉢を訪れる鳥を観察したりと、いくつもの思いが重なります。シャッターを設置しながらも内外ともに美しく見える出窓の実現のため、窓のあり方やサイズ、材種に至るまで、ご夫妻と何度も話し合い、ディテールを考案し、腕の確かな職人集団に作り上げていただきました。この家にはこのような思い入れのある設えがいくつも散りばめられています。
きっとご自身の家について設計者よりも細々としたことまでご説明出来るのではないかと想像しています。
お二人との家創りの機会をいただけましたこと、本当にありがたいことだと思っています。