敷地は商業地域内で高層建物に囲まれていて日照環境が厳しい場所にあります。築50年以上の現建物は1階を居住、2階は4戸の賃貸として利用されていました。借地部分はご兄弟が相続されたので、借地部分だけそのまま残して賃貸や倉庫として活用する計画です。
分離した建物は安心・安全に使用できるようにしなければなりませんし、借地権を持つ親族との調整も必要となります。また地主さんとの借地契約に抵触しないように進めなければなりません。工務店はご希望の建替えの希望を満たす以外の多くの対応力が求められるため、工務店選びが重要となります。
そこでS様はOZONEの「新築・建て替えコンサルティング ベーシックコース」のサポートを受けて進めることに。住まいづくりコンサルタントと共に計画整理、面談、設計コンペと進み、これらの複雑な条件を共に対応してくれる工務店を探し、最終的に工務店は「ますいいリビングカンパニー」が担当することになりました。
当初3階建ての検討も行いましたが、日照条件の差が少なく、老後を見据え、移動しやすさを優先して2階建てを選択。また防火地域内ということで、2つの建物を各々、延床面積を100㎡以下に抑えることで、耐火建築物にする必要がなくなり、コスト面でもメリットがありました。
借地上に建つ既存建物部分を残して解体した様子。
新たに修復された黒い焼杉貼りの外壁が見えます。
外観
新築部分は左官仕上げの自然素材の外壁に、道路側へ視線を遮るための袖壁や木塀、門扉を設置。前庭は木塀で囲み、ご希望のヤマボウシのシンボルツリーを植え、落ち着いた空間を創りました。
前庭
前庭には木塀を巡らし、ご希望のシンボルツリーのヤマボウシの他にも、工務店と相談しながらご希望の植物を植えて、趣味の園芸を楽しまれています。前庭内部は木塀に囲まれて落ち着いた空間となっています。
アプローチ・玄関
門扉から玄関扉へのアプローチは前庭のかたわらに配置され、季節ごとに木々や草花が楽しめます。
玄関内には靴の脱ぎ履き時に座って使えるスペースを確保。床材は杉素材を使用しています。土間収納には靴、傘、コート、園芸用品、ゴルフバッグなど多用途に収納できるスペースを設けています。玄関には神棚を祭ります。
多目的室
趣味のCDやレコード、オーディオ機器、楽器(ギター、キーボードなど)を収納。友人7〜8人が集えるスペースとして活用します。
和室
1階には板の間付きの4畳半の和室を配置。床柱は元の家のものを再利用しています。和室には仏壇と和ダンスが置かれます。必要に応じて多目的室と引戸で繋げれば、広く利用することも可能です。
階段
階段下には、洗面脱衣室側から使う階段下収納を配置。2階の階段際にはエアコンの冷房効率に配慮して、手すりの中に引戸を用意しています。
LDK
2階のLDKは日当たりが良く、道路から距離をおいた落ち着ける空間です。ダイニングスペースはコンパクトに済ませ、6~7人が集まる際には床に座って過ごすことも多く考慮しています。リビングには55インチのテレビを置く予定です。
寝室
2階奥の静かな環境の寝室は、広いクローゼットが併設しています。 東側に朝日が入る掃出し窓があり、LDKに繋がる長いL型のバルコニーがあります。
前庭に植えたシンボルツリーが大きくなれば、目隠しとなり、美しい木立が窓の外に見えることでしょう。