ご両親が住んでいた家の隣家を購入。2軒分の敷地を活用して、建築家と二世帯住宅に建て替えました。1階にご両親、2・3階に息子さんご夫婦が住んでいます。家づくりは息子さん夫婦が主導しました。
Q 建て主U様は、どんな方ですか?
ご主人も奥様も、ご両親思いの優しい方です。ご主人は建築学科出身でしたので、家づくりにはこだわりがありました。ご夫妻でよくご相談されながら、家づくりを進めていらっしゃいました。
Q U様は、家づくりに対してどのような要望をお持ちでしたか?
「自分たちのこだわりの家づくりをしたい。既成の住宅に自分たちが合わせて住むのではなく、自分たちのライフスタイルに合わせた家を、建築家に色々なアイディアをもらってつくりたい!」という、お気持ちがありました。
具体的には
・住宅密集地で高い建物もあるが、上手に視線を考慮して、空や外とのつながりを感じる家にしたい
・片付けが苦手なので、収納スペースをしっかり確保したい。
・親世帯と子世帯は玄関を別にして、完全分離の2世帯住宅にしたい。
このほか、ご両親は家相も気にされていました。
Q 建築家3人による、間取り提案コンペはどんな様子でしたか?
コンペには、ご夫妻はもちろん、お父様、お母さま、お兄様(工務店社長)も同席されました。U様が建築学科を出ている事もあり、建築的なご質問もされていました。ご両親、お兄様、U様の反応がそれぞれで、どなたを選ばれるのか、私には予想がつかなかったのですが、ここでいくつかの案を見て、いろいろな可能性を検討されたことは、ご家族にとって、とても良かったようです。
Q この家づくりで一番の決め手になったのは?
「地下」 をつくるかどうか、ということです。実は建て替え前のお宅にも「地下」がありました。プラン提案コンペの間取りで、「地下」の提案をしていたのが、建築家の二宮さん・菱谷さんだけでした。
Q 実際に建ったお宅を訪問して、どうでしたか?
U様らしく、素敵にお住まいでした。2階のLDKに光庭があることで、とても開放感が生まれていました。また大きな開口部があるにも関わらず、しっかりプライバシーが確保されていて、くつろげる空間になっていました。
お母様の趣味である、お花を植えたり、飾ったりするスペースも作ってくださっていて、私まで嬉しくなりました。
Q 玄関が別の完全分離型の二世帯住宅ですが、親世帯と子世帯の交流は?
子世帯のU様は共働きで、親世帯と生活時間帯が異なります。平日は行き来する事は少ないようですが、地下室が、両世帯、どちらの玄関からもアプローチできるようになっているので、よく地下にいらっしゃるお父様の姿を見かけるそうです。また用事があるときは、玄関から訪ねあうことにしているそうで、、日々気配を感じながらも、それぞれのプライバシーを大切にして交流されているようです。私がおじゃました時も、お母様が子世帯の玄関をピンポンと鳴らしていらっしゃいました。
Q 建築家の二宮さん(男性)・菱谷さん(女性)は、どんな建築家ですか?
二宮さんは、お話し好きです。デザイン含め色々なことにこだわりがありますが、押し付けるわけではありません。とはいえ、菱谷さんは、いい意味でブレーキ役なのかなと思います。押さえるべき事を押さえて下さった上で、二宮さんがたくさんのアイディアを出しながら、自由にお仕事をしてくださる、バランスが良いお二人だと思っています。
Q U邸の場合、建築家と二世帯住宅を建てて、どんなふうに良いことがあったと思いますか?
お母様もU様の奥様も、ご自身の希望を押し通す方ではないので、建築家がお二人の間に入って下さることによって、上手にご希望を引き出していただけたのではないかと思います。
(2018.3.20記)