OZONEがお手伝いした
住まいの事例

憧れの平屋VS.子どもが欲しがる階段

計画当初は、伸び伸び広い敷地なので「憧れの平屋」を計画して進めていましたが、
お子様から「家の中に階段が欲しい！」というリクエストがあり、階段を盛り込んで子ども部屋を2階に計画。

平屋でシンプルにつくるという希望がある中で、2階を作ることになり、
家の外観がどうなるのか、実はとても気がかりでした。

そのとき、東さんから提案されたスケッチを見て、「これだ！」と心が決まったそうです。
シンプルな外観も、念願の階段もどちらも叶えて、引き続き設計が進んでいきました。

家事動線と収納の両立

プランニングの途中では、家事動線と収納の両立に一番悩んだそうです。
リビングから奥の寝室、書斎へとつながる長い廊下。
無駄なスペースはなるべく取りたくないけど動線としては仕方ない、だけど何とかしたい、という思いで何度も打ち合わせを重ね、東さんから渾身の案が出て決定しました。
それは廊下に面して一面の収納を計画し、その裏動線に水廻りを配置するという、無駄のない収納と家事動線の両立ができる案でした。

スケッチのイメージ通り、シンプルな外観

玄関

和の要素を入れシックにまとめた広い土間には、
存在感のある沓脱石（くつぬぎいし）が
設置されています。

外の天候が分かる縦長のフィックス窓や
全身が写る大きな鏡が
広さや明るさをもたらしています。

リビング

玄関（写真左）から一歩入ると、ハイサイドライトから太陽光が差し込み、天井高のあるのびやかな空間が家族を迎え入れてくれます。光が燦燦と降り注ぐ明るい空間です。

見返したところ。ダイニングの奥にお子様の勉強コーナーを配置。奥様は台所仕事をしながら、お子様の様子をうかがうことができます。

窓の反対側には、キッチン、ピアノコーナー、和室が並びます。

動線が長いという悩み

キッチン横からさらに奥へと延びる廊下には一面の収納をつくり、その裏には水廻りを配置しました。

平屋をイメージした作りの悩みである「動線が長い」をうまく解決しました。

階段の上の子ども部屋

2階の子ども部屋は当分の間は遊ぶための部屋としていましたが、現在は、ご主人のリモートワーク用の個室として活用。リビングの吹き抜けに面したかわいらしい小窓がついていて、小窓を開くと家族の気配を感じることができ、閉めていればオンライン会議も滞りなくこなせているようです。

新しい暮らし方で、それぞれが気持ちよく過ごせる家が出来上がりました。
ここから、日々の想い出と共に成長する家となることでしょう。

建築家から

埼玉県蓮田市、周りに果樹園が点在するおおらかな周辺環境、1,000m2を超える大きな敷地にどう建物を配置するのか、設計当初いくつかの可能性を探りました。

私が設計する住宅は敷地がコンパクトなことも多く、配置もおのずと絞られることが多いのですが、今回は自由度が高いぶん選択肢が多く、考えた末に南からの採光を十分に活かせるよう各部屋を東西に配置するシンプルな計画となりました。結果として解体前の築100年の住宅と同様な配置になっています。

ご家族がともに過ごせることを重視し、大きなリビングを中心に各部屋がつながる間取り・ディテールの工夫をしました。

以前ご家族は賃貸マンションにお暮しだったため、お嬢さんから「今度のお家は階段が欲しい」という要望をいただきました。リビングと子供部屋をつなぐ階段が、この家の主役の一つになっています。

建築主さんご夫妻は、住宅ではないですが建築の設計に関わる仕事をされていて、間取りへの理解や要望が明解で、選択される素材のセンスも私と近いものがあり、楽しくスムーズに計画を練ることができたと思っています。