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築76年の和室を残し、2世帯住宅に増築

サステナブルな住宅の考え方

築76年のご実家を「和室など思い入れがある部分は残しながら2世帯住宅にリフォームしたい。また、水廻りは2か所必要」という建主さまのご希望から、フルコースでの家づくりのお手伝いがスタートしました。

場合によっては建替えへの計画変更も考えられます。そこで、どちらの可能性も考えながら進行することになりました。

リフォームと建替えのどちらに?


最終決定の中西氏ご提案資料より

二世帯にそれぞれ水廻りを造るには、既存の建物では面積が足りません。そこで、最も残したい和室部分以外は解体し、新に親世帯部分と子世帯部分を増築することにしました。

このタイミングで、建築家数名にご意見を求めましたが、増築により既存部分の耐震性を上げることの難しさや、費用面での懸念をご指摘頂くことに...。

建主さまも、そのご指摘を受けて、リフォームか建替えかを大変迷われたと思います。

しかし、和室を残したいというお気持ちは一貫していて、その条件で前向きに対応して頂ける建築家と今後の計画を進めたいということが最終結論でした。

そこで新たにイン・ハウス建築計画の中西ヒロツグ氏と面談し、既存と増築部分をエキスパンションジョイントで繋ぎ、構造を分けて考えるというご提案を頂く事で、晴れて「リフォーム&増築」という方針で家づくりを再スタートしたのです。

古い大谷石の擁壁問題

もう一つ大きな問題が、敷地をぐるりと取巻いた大谷石の擁壁でした。
大谷石の擁壁は、道路後退のため造り直す必要がありましたが、全てを造りかえると、大変な工事費用になってしまいます。

そこで、中西氏からは、擁壁が無くなる部分を増築部分の車庫&連続する地下室としてRC造とし、擁壁の替わりとする≪一石二鳥≫のご提案を頂きました。そして、安全な部分の大谷石の擁壁は今回は残すことに。

親世帯、子世帯と既存和室の平面的位置関係


≪既存の和室≫

築年数の古い住宅には、断熱材が入っていません。そこで、冬暖かく夏涼しくしたいということで、庭側の広縁の大きな窓は断熱サッシに交換し、壁・床・天井に断熱材を充填しました。
その他は、現在では再現することが難しい当時の姿を残すことにより、とても高級感あるお宅が完成しました。それは≪サステナブル≫という考え方でもあると感じています。極上の空間、そして和室を代々引き継ぐという心の満足感が加わった素敵なリフォームが完成しました。



≪親世帯の住居≫

◆玄関

親世帯と子世帯の玄関は道路の端と端に分かれていて、完全分離型です。しかし内部では、和室の広縁にあるドアでつながっているので行き来が出来るように設計されています。


◆LDK
既存の和室とつなげて使えます。


LDKから和室を見る。

≪子世帯の住居≫

◆玄関
車庫の手前右部分から入ります。


◆木製防災ドア と 玄関内部


庭からLDKを見る


リビングからダイニング・キッチンを見る


キッチンからLDKを見る


(左)キッチンから繋がるユーティリティー のびのびとした空間が広がる
(右)階段吹抜けより1階の畳コーナーを見る。2階は寝室

《建て主さまから》

家づくりを検討するに当たっては、新築は当然として、リフォームという考え方もあるだろうか?というところが出発点でした。それまでほとんど知らなかった関連法規を多少理解してくると、立地条件の特殊性もあって、リフォームの困難さ、新築を超えるコストがわかってきました。

それではリフォームは無理かと感じてきたところに、中西ヒロツグ先生に巡り合うことができました。水回り、部屋数、車庫など基本的な条件以外はお任せする建主でしたが、中西先生の設計力は、まさに「匠」で、古い部分との調和も取れた住宅に仕上がったと思います。

残せた古い和室のみならず、天井の一部、仏壇、敷石などもうまく再利用できたことにも満足しています。打ち合わせも佳境となる頃に新型コロナウィルスの流行が始まり、オンラインでの打ち合わせを余儀なくされましたが、それも家づくりの一つの記憶となることと思います。

工事担当の山崎工務店さんの仕事ぶりも丁寧で、前身の住宅同様、永く大切に住み続けたい家になりました。

《建築家から》

S様に初めて会ったのは2019年の10月。築80年近い実家を残して二世帯住宅にしたいとの相談だったが、既存のままでは規模が足りず、増築の必要があった。しかし40年前に2階を増築した際に道路後退されておらず、斜線制限にも抵触していたため是正が必要だった。

ご両親にも話を伺うと、建物だけでなく庭を含めた環境への思い入れを感じたため、北側に地下室付き2階建の子世帯住居を増築、西側にはご両親の寝室を増築する事で、既存の座敷と庭をそのまま残すことを提案した。

一体で増築すると建物すべてを準耐火構造にする必要があるため、子世帯住居とは構造的に分離。防火区画する事で既存不適格建築物となり、ほぼ原型のまま残すことができた。さらに床、壁、天井に断熱材を充填し、樹脂複合サッシに交換して断熱強化を図った。

子世帯住居は擁壁を兼ねた地下室を設け、道路の高低差を利用して東側の地階レベルに車庫と玄関を設けた。親世帯の玄関は別にあるが、広縁や庭で行き来できることで、緩やかな繋がりを生み出している。

役所との協議や補助金申請で苦労したが、家族の思いが詰まった歴史ある建物と庭を残す事が出来て、設計者としても大変嬉しく思う。

詳細情報

●所在地:東京都北区 ●敷地面積:297.52㎡● 建築面積:146.23 ㎡ ●延床面積:245.12 ㎡●家族構成:両親、夫婦、子供2人 ●竣工年月:2021年7月 ●設計:建築家 中西 ヒロツグ (イン・ハウス建築計画)  ●施工:山﨑工務店●住まいづくりコンサルタント 松本さゆり・村松葉子(文)

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