[Common Garden 原宿北参道]
地下1階、1階、2階はカフェとサイクリングウェアショップ、3~6階はコンパクトなワンルームの賃貸マンションです。
ガラス、スチール、コンクリートパネルを用いたインダストリアルなカチッとした雰囲気の建物ですが、オープンスペースには落葉樹の桂が植えられていて、街へ向けて心地よい空間を提供しています。
●担当したコンサルタントより
Qお客様はOZONEにどんなきっかけでいらっしゃって、どんな話をしたのですか?
K様はお持ちの資産を将来の相続に向けて整理している最中でした。この計画の前にも賃貸マンション建設をお手伝いさせていただいた経緯があり(お知り合いからの紹介でした)、そのまま2案件目もお手伝いさせていただきました。
Qお客様はこの建物に際して、どんな要望をお持ちでしたか?
土地の購入からのスタートで、今でこそ北参道もブランドですが、まだ地味な面もあった当時の段階で、未来のにぎわいを見越しての計画でした。建物名の「Common」にもあるように、単なる採算性重視というよりは、街の発展の一助となれば、という公共性の精神があったと思います。
Q店舗や賃貸マンションの事業性の判断のサポートもしたのですか?
賃貸マンション計画においては必ず収支シミュレーションをします。いくつかの不動産会社の意見を参考に相場を組み、見込みの建築費で採算がとれるかの検討です。今回は店舗誘致も大きな鍵で、どんな店舗を呼ぶべきかの議論にも参加し、いくつかの企業に相談にも行きました。
Q建築家に設計を依頼したのはなぜですか?
K様としては、コストやスケジュールの点を考え、最初から建築家で建てたいわけではありませんでした。ただ、街の将来性を読むことや「Common」という思想など、採算性ありきではない、社会に開いて価値を生むといったK様の考えに合致できたのが、今回は建築家だったということだと思います。
Q建築家の鈴木さんはどのように選んだのですか?
先のように絶対に建築家というわけではなく、ハウスメーカー2社、建築家2名、計4組でのコンペをし、結果として鈴木さんが選ばれました。プランが群を抜いて良かったということもありますが、これまでの鈴木さんのキャリアから、コスト面、スケジュール面も信頼できると判断しました。
Qこの賃貸マンション計画のサポート過程で、思い出に残っていることはありますか?
K様からは全面的に信頼をいただいていたという実感があり、感謝の気持ちは尽きません。賃貸マンション計画のサポートの過程でいえば、近隣対策、コスト調整、店舗誘致など、簡単なことは一つもありませんでしたが、これが建築ですし、すべてがよい思い出です。
Q実際に建った建物を訪問してどうでしたか?
最上階のメゾネットはカッコよくて一度住みたかったです。住戸はあっという間に埋まり、店舗も素敵な企業との出会いがあり、今の建物のにぎわいや北参道の盛り上がりは感慨深いものがあります。建物への感想というよりは、事業や社会性という点で、とてもよい仕事をさせていただいたと思っています。
●東京都渋谷区 ●竣工:2013.11 ●共同住宅・店舗 ●RC造 地下1階 地上6階 ●延床面積:408.54㎡ ●設計:鈴木孝紀(鈴木孝紀建築設計事務所)●工事会社:株式会社 辰
前件からの関係で日々相談は受けてました。土地が決まり、すぐに賃貸事業性の収支シミュレーションを開始しました。
建築家の専門用語の多さや説明の足りない点において、OZONEの通訳が役立ったと思います。
工事費が高騰する前でしたが、それでもコスト調整は難航。最後は工事会社の社長に直談判しました。
賃貸なので、建てて終わりではありません。賃貸募集会社と綿密な打ち合わせを重ねました。