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食卓と台所の風景vol.3「住まい手の想いやその風景について」建築家 西川拓さん

「食卓」や「台所」が印象的だった住宅事例を、建築家が紹介します。第3回は建築家 西川拓さん、平田悠さん。お施主様になりきってキッチンを決めた経緯や使い心地(感想として聞いていたもの)を書いてくださいました。常に「お施主様だったらどう思うかな?こうしたら喜んでくれるかな?」という思考を繰り返して設計する建築家ならではの視点です。

空が抜けていく食卓

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なだらかな傾斜地の上部.室内からは山並みのように無数の屋根が連なる、さながら山脈のような風景が見渡せる.

その風景をなぞらえたような山並み型をした木の天井デザインが、リビングとダイニングそれぞれに施されている.

少し大きめの窓がリビングのコーナー部とダイニングのコーナー部、それぞれについている.窓を開けるとカーテンが揺れ、家のなかを清々しい風と柔らかな光が通り抜けていくのを感じる.

ダイニングの床は傾斜地なりにリビングより一段上がっていて、食卓に座っていても外の方へ視線が抜ける.ダイニングテーブルはそんな風と光の通り道ど真ん中に置かれている.家のなかで一番気持ちがいい場所.

庭やバルコニーがなくとも外とつながっている.そう感じられるのは、家のなかにまで取り込まれた周囲の風景が、外までつながっていき、遠くまでが私たちの居場所のようだから.敷地を超えて広がる大きな環境そのものが自分たちの居場所のように感じられる、そんな食卓.

バラバラだけど一緒にいる

食事の準備をしているときからこの家は楽しい.待っている人はそれぞれお気に入りの場所で、お気に入りの時間を楽しむ.ひとりの子供はダイニングとリビングの段差で遊び、もうひとりはリビングのカウンターデスクに向かってひとり遊び、ソファでは大人が赤ちゃんをあやしている.そんな風に料理をしている人とつかず離れず、少しずつ料理ができていくのを気配で感じていく.

各々がバラバラに何かを楽しみながら、みながひとつの空間で同じ時間を過ごす幸せ.
見通せる場所と隅の少し隠れたスペースがあることが、家族のさまざまな距離感をつくりだし、居心地の良さを生みだしているのかもしれない.

ピカピカなグリルと秋刀魚の味

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清潔感のあるキッチンが好きだ.


そんなわけで半分はメンテナンスの良さから、半分はコスト面からシステムキッチンを採用し、コンロは掃除のしやすいIHと決めていた.


壁付のシステムキッチンだが、前面に収納と飾り棚を兼ねたカウンターを造作し、背面には食器棚とパントリーを設けた.


換気用の小窓もある.


大きなオリジナルキッチンという訳ではないが、コックピットのような使いやすさを気に入っている.

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知人を招いて秋の味覚を楽しむ会をした.秋刀魚をたくさん持ってきてくれたのでグリルで焼いたのだが、ピカピカなことに驚かれた.そう、実はこの日初めてグリルを使ったのだ.家は竣工して2年が経つ. みなが美味しい美味しいとよく食べた.確かに美味しい.きれいに骨だけになった秋刀魚をみてグリルも悪くないなと思った秋の出来事.


建築家 西川拓さん(一級建築士事務所 西川拓平田悠)SQ130dknskw.png

住宅には目まぐるしく変化する側面と、ずっと変わらない側面があると思います。
家族のライフステージや時代が変われば必要な機能、諸室など様々な変更が生じます。住宅を建てるその瞬間に必要なことは後に容易に変わり得る、そのつもりで長いスパンで快適に住めるようなご提案させていただきます。一方でずっと変わらないものはその敷地一帯の大きな環境の持つ個性だと思います。それを住宅に取り込み、大きな居場所に住むことの快適さを実現する、そのお供をさせていただければ幸いです。

西川さんプロフィール>>


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(2021.12記。写真は建築家提供。photo@中島悠二)

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