2021年に完成した "今ならでは"の住宅実例を、登録建築家自身がご紹介します。
回遊&スキップフロアの木造3階建て住宅です。
2021年に完成した "今ならでは"の住宅実例を、登録建築家自身がご紹介します。
回遊&スキップフロアの木造3階建て住宅です。
コロナ禍の家庭は悪い事だけではなく、家族一緒の時間が増えているご家庭も多いかと思います。この家では、パパ・ママ共働きでありながら在宅ワークを積極的に取り入れ、子どもたちとの時間を大切にしていらっしゃいます。
家全体を大きなワンルームにして家族の気配を感じ、変化に富んだ空間を繋げていくことで、太陽や風の入り方で時間や季節を感じる住宅を目指しました。
最大の特徴である回遊動線の間取りは、子どもたちにとって楽しいだけでなく、2通りの行き方が用意されることで"家事楽"にもつながります。また、その動線は洗濯室やパントリー、納戸を経由しているので、将来、物が多くなって1つの引戸を塞ぐことになっても、もう一つの引戸で出入りできるという、融通性のある使い方ができます。
3階の納戸1と2には子供の通れるルートがある
3階建ては下の温度と上の温度差がどうしても出てきます。この住宅は2階のLDKをメインにオープンな空間を目指しているので、温度差を緩和することが特に重要です。
そこで、大掛かりな全館空調を導入することなく、冷たい空気は下がり暖かい空気は上がるという単純な法則を利用することにしました。夏は、家の中心にある階段の最上部から、ダクトファンによる強制排気をします。そうすると、階段上部にたまっている暖気を外に排出することができ、1階の日射を受けていない冷気、2階のエアコンで調整された空気が引っ張られ3階へと誘引されていきます。
冬は、リビングの2.4m高さ付近のガラリ奥に排気口を設け、2階の大開口から入る日射熱と床暖で暖められた空気をダクトファンを使って下階のシュークロークに送り込みます。24時間上下階の空気を動かすので温度差が減り、天気の良いお昼は暖房は不要で、天気の悪い日や朝・夜だけ床暖をつけてエアコンは使わなかったそうです。
空気が流れやすいストリップ階段
高窓から入る光は夏は早朝 冬は昼時
コロナ対策の基本は、手洗いを使いやすい位置に設けることです。
玄関を入って階段を上がる前に手洗いボウルがあります。これは、帰宅後に手を洗うのに便利な位置です。泊りがけのお客さんには玄関脇の和室を使ってもらうのですが、家族が1階のお風呂に入っていると、洗面所が使えなくなるので、その不便さを解消する位置でもあります。
また、家全体でワンルーム化する一方、個室化できるようにも考えているので、1階・3階に4つの個室を配し、どちらの階にもトイレと洗面所、浴室もしくはシャワーブースを用意しています。つまり、上下移動無しで24時間安静にしていることができるので、家庭内感染も防ぎやすい住宅となっています。
・1階から3階まで全て回遊形式の間取り
・夏仕様、冬仕様の空気の流れ
・コロナ対策、基本は使いやすい手洗いと家庭内隔離ができる間取り
●家族構成:ご夫婦、お子様
●延べ床面積:161.34㎡
●構造:木造
●竣工:2021年
一人は敷地の読み取りから始まり建築の立ち姿や内部の見え方を考えていきます。間取りがまとまってきたところで構造設計へと移行(木造3階建て・RC造は構造事務所が協力)。一人は、生活スタイルをヒアリングし家事動線を意識した間取りを計画していきます。構造設計中に内部の詳細を詰めていきます。こうして男女両方の目線で設計し、木造や鉄筋コンクリート造といった構造方式は案件ごとに相応しいものを提案するのが私たちの特徴です。
(2022.11月記)
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