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別荘・セカンドハウスを建てる(前編) 建築家の視点

テレワークが進み、1ヵ所に住むという常識が薄れてきている昨今、セカンドハウス(別荘)のご相談が増えてきていると感じます。慌ただしい都会生活からの脱却を夢見て、山や海での生活や風景が楽しめる場所が人気です。
別荘を多数設計している建築家・萱沼 宏記(かやぬま ひろき)さんに、最近のセカンドハウス事情をお話していただきました。


Q1)独立前も含めて、セカンドハウスは何軒くらい設計されていますか?

尾関事務所に在籍していた頃は軽井沢で10軒ほど、伊東や蔵王でも設計を担当させて頂きました。独立後も常に別荘の設計案件がありましたが、このところ特に増え、一般住宅と別荘と半々くらいの割合になっています。

エリアでは、私の出身が山梨県の富士山の麓ということから、地元の気候風土をよく知っているだろうと河口湖や山中湖のある富士五湖エリアが多く7軒ほど、熱海・伊豆箱根エリアで3軒設計した後に、鎌倉でも敷地から富士山が見えるという「富士山」繋がりでご依頼頂いたりしています。



Q2)建設地から探す場合、不動産会社との連携もしていますか?

美しい眺望を求め、地図で当たりをつけて敷地を探す方が時々いますが、別荘地は都市部と異なり、境界が曖昧だったり、実は接道がなかったりする事も。

また、地目が畑だったり、都市計画の区分が市街化調整区域(※原則として新たな住宅などを建てにくい場所です)ではないか?も確認するポイントになります。下水道がない場合は浄化槽になりますが、上水道もない場合は井戸を掘る許可が取れるかもチェックポイントになります。

一方、管理別荘地はそうした心配がないのがメリットです。しっかりした管理会社の別荘地かどうかでその後に受けるストレスを減らす事ができます。


具体的な土地探しにおいて気を付けた方が良いのは、土地の高低差です。

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山の上など、眺望が開けた土地への憧れはよく分かりますが、斜面地は予想以上に基礎にお金がかかります。斜面地の基礎は平地の2倍の費用が掛かることもあるほどです。

また森の中は湿気に悩まされます。土地を見るとき、周辺より低い「谷間」の場合は、特に湿度が高い傾向がありますので気を付けてください。

土地選びの際は太陽光の届く明るい敷地、風通しの良い敷地を選ばれる事をお勧めします。閉めっきりになりがちなセカンドハウスにおいて、壁を調湿効果の高い珪藻土仕上にすることや除湿機の採用は必須といえます。

前面道路が未舗装の場合は、訪れた時に平坦でも様々な要因でボコボコになる事も多いので、道路の管理体制がどうなっているかの確認も必要です。

土地選びで確認が必要となるポイントがいくつかありますので、土地購入前に設計事務所に相談する事をお勧めします。私が土地探しから携わっている時は、地元の不動産業者と連携して行っています。


Q3)別荘・セカンドハウスに対して、考え方やご希望は変化していますか?

都内では実現出来ない広さや開放感ある住まい、自然豊かな環境での暮らしを求めて等、セカンドハウスに求める事は様々ですが、最近では、ご自身が利用しない時にAirbnb(世界中の宿泊地をWeb上で見つけ予約できる仕組み)での運用を検討される方もいます。しかし管理別荘地では認めていない所も多いので、別荘管理のハードルは高くなります。


リモートワークの普及で、別荘に景色の良い個室の書斎を求められる事が増えました。遠隔会議のカメラの背景をどうするのか、皆さんの興味が高い様です。

また収納に関しては、滞在が土日だけ、長期休みなどまとまった期間だけという滞在だけでなく、日常使いのセカンドハウスが求められるので、「ホテルの様な短期用の仕様」から「永住を念頭におく住宅的な収納計画」が増えています。


Q4)Airbnbについて少し教えてください

セカンドハウスを検討される特に若い世代の方は、Airbnbで別荘を借りて、自然豊かな環境でご友人達と自由な余暇を体験したい方が多いです。

ホテルや旅館では得られないプライベートな非日常を、自分の好きな地域で家族やご友人達ともっと気軽に使えるご自身のセカンドハウスを持ちたいと思われる様です。

また、自分のセカンドハウスをAirbnbで貸す時は、私物は施錠できる納戸に納めたり、収納棚にも鍵をつけて管理します。


聞き手のOZONE住まいづくりコンサルタントから

ご経験を踏まえて、お話を頂きましてありがとうございました。

同じ日本国内でも気候風土は違いますので、建築家の方の知見、力量が遺憾なく発揮され、ロケーションを存分に生かした建物になることが大変良く分かりました。

まだまだ少ないですがOZONEにも、Airbnbのご相談で来館する方がいらっしゃいます。中古のセカンドハウスのリフォームも含めて、今後少しずつ増えて行くように思います。

(OZONE住まいづくりコンサルタント 村松葉子)

(2022.1月 写真は建築家提供。別荘撮影:木田勝久/FOTOTECA)

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